漫歩俳句遊び 5月定例句会 17・5・23

漫歩俳句遊び 5月定例句会 17・5・23
 5月の風鈴会定例句会は、5月9日だった。奥様を失くされた佐藤念山さんが久しぶりに出席された。89歳でわが句会の最高齢者である。20名のメンバー中4名の男性が参加した。この日の兼題 春深し、ちんどん屋、 席題 母の日
 漫歩提出7句 ◎先生特選〇先生選句▽句友選句
  ◎同病を相憐れみて春深し
  ◎母の日よ老いても若き母を恋
  〇▽妻逝きて友も病むとや春深し
  ▽蓮華草咲けど寂しき休耕田
  ▽花水木邪心なきやと問うてみる
  ▽なんじゃもんじゃこんなもんじゃと咲き誇る 句友特選
  泣き虫の老いても恋し母の日よ
 提出句7句のうち、先生に3句、句友に特選を含めて4句選ばれた。なんじゃもんじゃはホトトギス系の季語には入っていないが、他の句集などには入っている。季語の使い方は難しい。漫歩の選んだ7句は以下の通り。特選句は、万象の宇宙を目指す若葉あり を選んだ。
 漫歩選7句 
  しみじみと遠き父母桐の花
  母の日に嘘ついたこと思い出す
  老残のひとり身となる花埃
  訪ふと言ひし友の訃春深
  ちんどん屋子等の縦きゆき風五月
  天に咲く朴の真白く新しく
  〇万象の宇宙を目指す若葉あり 新井利太郎
 次回、6月2日 兼題 新茶、弁当
 山形の友人、新野裕子さんと久しぶりに電話で話した。彼女は金子兜太の熊谷市で開かれた5月20日の句会に参加した由。金子兜太(97)は、主宰する俳句誌「海程(かいてい)」を閉じると宣言したそうである。「年齢を重ねるにつれ、主宰が担うべき役割の一部を周囲に依存するようになり、(主宰としての)限界が近づいていることを感じる」と述べ、99歳を迎える来年9月での終刊を決めた。「主宰を離れることで、より自分にこだわった生き方をしたい」とも話したという。なるほど金子兜太らしい。次なる世代に引き継ぐことなく自ら会を閉じる。私は一言で頷いた。

  (金子兜太書の「安倍政治をゆるさない」ポスター)

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4月の風鈴会定例句会 17.4

漫歩俳句遊び 4月定例句会 17・4・23
 4月の風鈴会定例句会は、4月7日だった。当日の兼題 長閑、椿 席題 紫、さへずり。漫歩提出句は以下の7句だった。
  清楚とはかくの如きか利休梅 ◎
  花よりも花撮る人の面白き ▽ 
  紫木蓮女王の如く街に咲く ▽
  地に落ちて五辨の椿なほ燃ゆる ▽
  恋ごころ秘すれば一花寒椿 ◎▽
  花咲けど長閑さ遠き被災の地
  猫も人も居眠り長閑春の園 ▽
 先生の選句では「清楚とはかくの如きか・・・」と「恋心秘すれば花の・・・」の2句が特選句に選ばれた。ただし「恋心」の句は、当初は「恋ごころ秘すれば花の寒椿」だったが「恋ごころ秘すれば一花寒椿」と添削された。また句友からは 花よりも、此木蓮、地に落ちて、恋ごころ、猫も人も、の5句が選ばれた。
 漫歩の選んだ7句は以下の通り。特選には「差へずりや礼儀正しき島の子ら」を推した。
  初恋は想ひちぐはぐレンゲ草
  襖絵の墨絵の椿あれは紅
  のどけしや皆寝そべりて牧の牛
  それぞれの旅立ち見てる春の月
  むらさきの祖母の袱紗やこぶし咲く
  主のなきお屋敷静か落椿
  さへずりや礼儀正しき島の子ら 特選 
 次回5月8日、月曜日 兼題 ちんどんや 春深し と決まった。
 四月号の『雛』では、漫歩の提出した句が風神子先生の選句で以下の3句が選ばれていた。また規子先生の選句では、以下の2句が選ばれた。漫歩は「自由とはかくの如きか・・・」と、「寒暁や声なく飛べり・・・」の2句が選ばれたことが嬉しかった。
 風神子選
  自由とはかくの如きか枯れけやき
  懐かしき人の夢見し老いの春
  ポケットのキイ冷え冷えと寒の入り
 規子選
  寒暁や声なく飛べり烏二羽
  手袋の握手なにかが欠けてゐる

漫歩俳句遊び 3月、2月定例句会

漫歩俳句遊び 3月、2月定例句会 17・3・24
 3月の定例句会は3月1日、兼題 木瓜、白酒、席題 下駄箱、雛あられ 漫歩の提出句以下の7句 句友選句3句
   読書する女が一人春電車▽
   水温む朝のスープの冷め難く
   木瓜好きと人に言はせて老いの春
   じんなら魚の悲しみ想う犀星忌
   友逝くや夜のマンション冴え返る▽
   木瓜咲いて吾も茫々呆けの花
   下駄箱の乱れ正せと春の寺▽
 漫歩の選句7句 特選は ものの芽や恋する心忘れずに
   下駄箱に恋文出入り春おぼろ
   遠き日の淡きときめきお白酒
   雛飾る娘二人を嫁がせて
   野良猫のみやうと声する木瓜の花
   新入生の下駄箱探す涙顔
   栄光も挫折もなくて鳥帰る
   ものの芽や恋する心忘れずに 特選

 2月定例句会 兼題探梅・青木の実 席題 白鳥・靴 漫歩の提出句提出句以下の7句。
   探梅や秘すれば花と宣へり
   探梅や梅ほころびぬとローカル紙
   冬枯れの銀杏それぞれ孤独なり
   手袋の握手なにかが欠けてゐる ◎先生特選 ▽句友選句
   白鳥の掘ビル深く沈みけり
   靴音も軽く足早四温の日 〇先生選▽句友句友3
   木枯しに押されて老いの坂上がる〇先生選句
 漫歩選句
   特選 冬大木衛士の靴音直立す
   青木の実吾にも一つの夢在りぬ
   彼方にも夫婦の影や梅探る
   白鳥来みにくさひとつ忘れたり
   探梅や一花ほころぶ和菓子店
   凍空を軍用機また飛んで行く
   沈黙は金とふことば青木の実

漫歩俳句遊び 1月定例会 17・1・12

漫歩俳句遊び 1月定例会 17・1・12
 今年初の風鈴会定例句会は、1月6日だった。病気休養中の最年長88歳の佐藤念山老は欠席されたがほぼ全員出席。今回の兼題は賀状と七草粥、席題は寒の入りと初句会。
 漫歩の提出7句は以下の通り。
  アベックの隣で昼寝冬日向
  外人も日の丸小旗参賀の日
  故郷の唯一の賀状のぼる君
  懐かしき人の夢見し老いの春
  飼う人も犬もよたよた年の暮
  自由とはかくの如きか枯れけやき
  ポケットのキイ冷え冷えと寒の入り
 句友の選句では、「自由とはかくの如きか・・」「懐かしき人の夢見し・・・」、「故郷の唯一の賀状のぼる君」の三句が特選に選ばれた。先生の選句では、「懐かしき人の夢見し;;;」「ポケットのキイ冷え冷えと・・・」の二句が選ばれた。のぼる君というのは誰かと問われたが、ふるさと岡山県の小学校の同級生だ。今は彼一人だけが年賀状をくれる。印刷した「新年おめでとう」だけで何も書いてはいない。それでも彼の賀状が毎年来ることで、古里との細い糸が繋がっている気がするのだ。子ども二人に先立たれ、病弱の妻と二人で、いまなお米づくりを続ける84歳の同級生だ。
 漫歩が選んだ7句は以下の通り。特選は、「夫も吾も戦後を生きて初詣」を選んだ。
  閉店の貼り紙寂し十二月
  揃わねどなづななづなと唱えけり
  水槽の目高静まり寒に入る
  足るを知る心の満ちて初明り 
  言の葉の一言うれし年賀状
  大みそか来し方よりも先の事
  夫も吾も戦後を生きて初詣
 句友の念山さんは退院されたが、まだ体調整わず欠席された。88歳にして同年代の奥様の病と認知の自宅介護を日々続けておられる。年末、入院先の目黒の共済病院に見舞った。介護疲れですっかりやつれていたのが、入院で休養されたせいか顔色も良くなり赤みがさしていた。日頃の介護の苦労が忍ばれる。しかも本人は、過去に四つの癌に冒された。現在も闘病中である。日本の老々介護の典型のような念山さんだが淡々とこなしていらしゃる。とうてい凡人の及ぶところではない。 
  病む友の頬赤く染め冬夕焼 漫歩 

寒の入り尿瓶と暮らす兜太翁

寒の入り尿瓶と暮らす兜太翁 17・1・9
 かつて当ブログで、年と共に寒がりになり、厚着して、暖房を使わないようにする。同時に湯たんぽで寝ることにしたと書いた。加えて約10年前から使っているものに尿瓶がある。当時八十八歳の金子兜太と鶴見和子の対談本「米寿快談 俳句・短歌・いのち」(藤原書店 2005年刊)を読んだことによる。この本全体が魅力的な話題にあふれている。鶴見和子さんは当時88歳、すでに78歳のとき脳出血に倒れ、半身不随で施設に入所されていた。対談はこの施設で行われた。鶴見さんはこのなかで「私は左側は全部痺れてます。頭のてっぺんから足のつま先まで。もちろん口の中もです。でも人間命が短くなると燃えるのよ。辞世の歌なんかいくつ作ったかわからない(笑)」と仰っていた。
 対談の中に「和子・兜太の養生訓」というのがあって印象に残った。当時88歳の金子兜太はそのなかで寒い時期は尿瓶を使い、旅をするときも持参すると話した。兜太の父親は死ぬまで元気だったが、健康に自信を持っていたが故に、寒いトイレに夜中に行って倒れた。そこで兜太翁は夜中のトイレは危険だと考え、尿瓶の使用を思いついた。しかも旅に出るときも携帯用の尿瓶を持参するという。徘徊はそれほどまでしないが、寒い冬の間だけは使用する。これは暖房のない部屋で寝ている老人の自衛手段でもある。兜太翁は「頻尿になったので、尿瓶の日常化ということが、私にとって非常に健康につながる」と語っている。
 私の友人の多くも夜中の頻尿に悩んでいる。だが尿瓶を奨めるとなんとなく躊躇する。同郷の友人もその一人だ。それで一緒に旅行して同宿すると何度も起きてトイレに行くので同室は断って別々に寝ることにしている。寒い時期、足腰が弱くなって部屋に閉じこもっている。そこで渋谷の東急デパートの介護用品売り場で尿瓶を買って新年の贈り物にした。近頃は尿瓶とはいわない。なんと「コボレーヌ」という名前で笑ってしまう。メール友達から「女性用はないのか」と聞かれたが今回店で確かめると女性用の「コボレーヌ」もちゃんと置いてある。夜中の頻尿に悩むわが老友男女たちよ。コボレーヌで安心安眠の夜を過ごしたまえと呼びかけたい。夜の風呂場やトイレで倒れる人の数は年間約1万5千人、今や交通事故の三倍以上ということも忘れないで・・。
 秋遍路尿瓶を手放すことはない 金子兜太
 春闌けて尿瓶親しと告げわたる    〃
 いのち気軽に尿瓶と暮らす河豚食べて 〃
 ぽしやぽしやと尿瓶を洗う地上かな  〃
 湯たんぽを抱いてみる夢君の夢 漫歩
ようこそ!「老人はゆく」へ
「老人はゆく」へようこそ

徘徊老人

Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
趣味、杖を引いて歩くこと、
お四国歩き遍路、ごみひろい
路上公園などの観察、
キョロキョロ歩き
読書、眠り薬になること多し

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