原発日記

チェルノブイリの医師が警告する 4月29日
 友人の元共同通信記者のH氏は、政府と東電の初期対応以来の事故の過小評価、対応遅れなどを厳しく追求してい居る。今日のメールではチエルノブイリ事故の子どもたちの甲状腺がんを治療してきた、松本市長で医師の菅谷明氏の話を送信してきた。これは「東洋経済」に掲載されたものの一部である。

チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭《上》(1) - 11/04/26 | 16:13
 信州大学での外科医としての職をなげうち、チェルノブイリ原子力発電所事故後のベラルーシに滞在。5年半もの間、原発事故で放出された放射能による甲状腺がんで苦しむ多くの子どもたちを治療し続けた菅谷昭・松本市長。その献身ぶりは「奇跡のメス」として、ベラルーシ国民から高く評価されている。放射能がもたらす悲劇について、日本で誰よりも詳しい菅谷市長は、今回の原発事故をどう見ているのか。
──かつてチェルノブイリ原発で起きたのと同じ原発事故が、日本で起きてしまいました。
 原発の安全性について、日本政府に驕りがあったと言いたい。チェルノブイリでの教訓を生かしていない。危機管理の欠如も甚だしい。世界でも有数の原発大国なのに、事故発生後の対応は後手後手だ。
──東京電力福島第一原発では、放射性物質の放出が止まりません。
 ベラルーシでは、住み慣れた土地から強制的に避難させられた、あるいは汚染地区に住まざるをえない住民の切なさや悲しみを見てきた。その経験からいえば、核の災害は自然災害とはまったく違うことをわかってほしい。当初から最悪の事態を想定して、先手、先手と対策を打つべきだった。やりすぎるということはない。結果的にそこまで悪くならなかったとしても、「ごめんなさい、でもよかった」と言えるものだ。やらないで悪い事態になるのとは全然違う。
 自然災害は、復興すればそこに住める。だが、核災害では住めない。チェルノブイリでも原発から30キロメートル以内は強制移住の対象になった。福島でも、そうなる可能性は十分ある。私は最初から、30キロメートル以内の住民は退避させたほうがよいと言ってきた。チェルノブイリの規模であれば、50キロメートル範囲でも危ないからだ。

外部被曝量の基準値で人体への安全性語るな
──3月下旬に開かれた内閣府の食品安全委員会に、参考人として出席されました。
 びっくりしたのは、これまで核災害時の食品汚染をどうするかという基準値がなかったこと。原発保有では世界第3位の国が、なぜ基準値を設けていなかったのか、非常に意外だった。それがホウレンソウから放射能が検出されて急きょ、国際放射線防護委員会(ICRP)や世界保健機関(WHO)、国際原子力機関(IAEA)などの基準値を参考にして暫定基準値を設けた。
 私は放射線の専門家ではないが、ベラルーシでの経験から今回の暫定基準値をどう思うか聞きたいと言われ、出席した。机の上で考える研究者というのは、どうしても現実味がないから甘い。農業生産者の立場を考えて、基準を「緩やかに」という人も委員にいて、彼らの考えもわかる。だが、私は「子どもや妊産婦の命を守るためにも、基準は厳しいほうに置いたほうがいい」と言った。チェルノブイリでは、小児の甲状腺がん患者が急増したのは事故から5年後だ(下グラフ)。
 委員の中には「甲状腺がんはたちがいいがんだから、大したことはない」と言う人もいたので、思わず「ちょっと待ってください」と。5歳、10歳で手術を受けた子どもたちを考えてみてほしい。家族も「なぜ汚染された野菜を食べさせてしまったのか」と後悔が付きまとう。そんな現実を委員たちは知らない。
 私がいなかったら、「甲状腺がんは大したことはない」で通ってしまったのではないか。放射線の専門家は個々の被害者のケースを考えない。みんな統計で集団として扱ってしまう。国民一人ひとりのレベルで考えてもらわないと困る。

すげのや・あきら
1943年長野県生まれ。信州大学医学部卒。医学博士(甲状腺専門)。91年からチェルノブイリ被災地での医療支援活動に参加、96年から2001年までベラルーシ国立甲状腺がんセンターなどで、主に小児甲状腺がん患者の治療に当たる。02年長野県衛生部長。04年から現職、現在2期目。著書に『チェルノブイリ診療記』『チェルノブイリいのちの記録』など。
(聞き手:福田恵介 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年4月23日号)


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徘徊老人

Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
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路上公園などの観察、
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読書、眠り薬になること多し

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