7月の呆け物忘れ進行度

7月の呆け物忘れ進行度 7月31日
 今月の大きなミスは、なんといっても曜日を完全に間違えてしまったこと。前の日に頭をコンクリートにぶつけて痛みが残った。そのせいか忽然と曜日の感覚が一日ずれてしまったらしい。当日は金曜日で句会の例会があるのに、なぜか木曜日と朝から思ってしまった。句会は午後一時半からなのに、12時半頃、文さんの事務所に行った。彼が保険証をなくしたというので、経験者の徘徊は「すぐ区役所に電話しておいた方がいい。すぐに新しく交付してくれるから」と教えた。彼が電話して「じゃあ明日区役所に行きます」などと言っていたが、「あっ、明日は土曜日で休みですね」という言葉を聞いた。
 冗談ではない、こちらは明日は金曜日のつもりなのに、ほんとかと聞いたら。「そうですよ、今日は金曜日ですよ」といわれて気づいた。すっかり今日は木曜日と思い込んでいた。あわてて飛び出してマンションに帰り、「あわてるな、こういうときは怪我するぞ」と言い聞かせながら、慌てふためいて飛び出して電車に乗った。車中で今日提出する兼題5句を大急ぎで決めた。結局、句会には三十分以上遅れて、当日の席題2句はつくれないという大失態だった。
 さらに今月痛感したことは、固有名詞を忘れる度合いが急速に進行したことだ。例えば友人の女性から「林芙美子の放浪記をはじめて読んですごく感動した」というメールが来て、「放浪記は読んで、森光子の芝居も見に行きました」と返事して、翌日、放浪記という言葉は浮かぶが、林芙美子がどうしても出てこない。何日かたって調べて思い出した。そしてノートに「林芙美子、放浪記」と大きな字でメモすることにした。また先週観た映画の主演女優と題名が出てこない。何とかパンで朝食をという題名だった。結局一緒に行った友人に、あの主演はだれだったけ、ときいて「ジャンヌ・モロー」。そして題名は手帳に書いていた。「クロワッサンで朝食を」という題名だった。老残の歌手を演じてなかなかいい映画だった。
 三ノ輪にいる85歳の知人に会いに行こうと思った。知人の名は何とか思い出した。あそこにある明治の女流作家の記念館に行きたいと思ったが、出てこない。ようやく「たけくらべ」は出てきたが、作家の名前が出てこない。また友人に電話して、「あの明治の女流文学の草分けの女性は」と聞く。相手もうんざりしているだろうが、やっと「ほれ樋口一葉でしょ」という。そんなわけで、この原稿は全てメモした題名や人名で書いているだけで、明日になれば忘れてしまう可能性大だ。その点、作家の野上弥生子はえらかった。
 野上の甥にあたる人が、かつて70年代初頭の臼杵大阪セメント反対運動のリーダーの小手川道郎さんという人だった。彼によると「叔母の弥生子は、電話で話をしていて人の名前が出てこないと一晩中考える。夜中にあの人だれそれさんよ、と電話してきた」そうである。だから百歳まで現役作家として物を書くことができたのだろう。ため息がでるほど固有名詞が出て来なくなったが、あきらめないで、野上方式で、ともかく思い出すまでいろいろ考えたり、当たったりしよう。
 忘れざること母の死と原爆忌 漫歩

     (写真 長野県諏訪湖畔の野仏)

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Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
趣味、杖を引いて歩くこと、
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路上公園などの観察、
キョロキョロ歩き
読書、眠り薬になること多し

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