15.1呆け物忘れ進行度

1月の呆け物忘れ進行度 15・1月31日
 今月は3日の82歳の誕生日に、インフルエンザの症状が出て、5日にクリニックに行った。大過なく数日で落ち着いたが、あまり外に出て人を会うことを自重した。熱のせいで脳のネジが一本飛んだのか。部屋の中での生活なのに、つぎつぎと物がなくなるようになった。今ここに置いたはずの携帯が見つからない。メガネが無い。財布がなくなる。書類がさっきまであったのに見つからなくなる。一日中、もの探しに右往左往している感じだ。
 昨年来、親しい友人二人が認知症になった。本人はそうは言わないが、息子たちが伝えてくれた。いよいよ自分も近づいてきたのかなと思う。何度か電話しても、話の脈絡がつかない。今度会いましょうと言っても「そうしましょう」と簡単に返事するが、あとから「お医者さんがあまり遠くに出かけない方がいいとおっしゃるの」と断ってくる。約束の日とか曜日をまちがえる。ともかく、約束してもほんとかどうか、つかみどころがないのである。しかしそういう私自身が今や同じことをやっている。
 先日も、長く会わなかった友人のSさんから電話があった。「いま渋谷に来ているが、来月末、渋谷に来ますので火曜か水曜日にお会いできませんか」という電話であったらしい。ところが本人は来週の火曜、水曜と思い込んでしまった。いくら待っても電話が来ない。携帯もメールも使わない人だから、何度か電話してやっとつかまった。やはり、こちらの思い違いで、来月を来週と勘違いしていた。
 ともかく、こういうふうに電話で約束してメモしたはずなのに、今月の予定を来月の日時に入れることが多くなった。もう人との約束は簡単にできないなと思う。念には念を入れて、親しい友人には「悪いけど、当日の朝でいいから、今日は行く日だよと電話して下さい」と言うことにしている。携帯メールやパソコンのメール仲間だと、記録にも残るから、勘違いが少なくなる。だが私の世代の友人はそれをやる人は、せいぜい数人だ。
 かつては、昔の砂川、安保時代の友人たちとのOB会を年に一二度やっていた。いつも事務局を引き受けていたが、一昨年の末のOB会で「もう呆けてきましたので、今後OB会の事務局はできません」とお断りした。しかし、そういうことを相手は忘れてしまっている。先週も「日帰りの会はしんどいから、一泊二日の会をやって下さい」と手紙が来たが「もはやそういう責任ある事務局は呆けてきて出来ません」と丁重にお断りした。
 呆けて来ただけでなく、もっと重要な変化は気力、体力の衰えである。眼も悪くなって来た。耳も遠くなる。歯は次々と欠けてきて総入れ歯も近い感じだ。いまや他の老人と同じようにゆっくりとしか歩けなくなった。九段の坂を上がるときも、だれよりも遅い歩みで、くの字に曲がりながら上がる。ゆっくりした歩みで散歩していると、また別の世界が見えてくる。枯木の樹木の道を歩きながら、あの世にいる先輩や友とも会話できる。急ぎ足ばかりできた来し方の愚かさを反省しつつ、ユックリズムの老年の歩きに、なにか愉悦を感じるこのごろだ。
 来し方は 一炊の夢 老いの春 漫歩

      (写真 ケヤキ大樹 北の丸公園)

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徘徊老人

Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
趣味、杖を引いて歩くこと、
お四国歩き遍路、ごみひろい
路上公園などの観察、
キョロキョロ歩き
読書、眠り薬になること多し

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