簡素な生活③清貧」ムヒカが見た日本

簡素な生活③清貧」ムヒカが見た日本 17・5・11
 南米ウルグアイから、前大統領のホセ・ムヒカさんが初めて日本にやって来たのは昨年4月のことだった。1週間の滞在中、東京や大阪の下町を歩き、多くの学生とも触れあった。「清貧」を貫く哲人政治家の目に、日本の何が、どう映ったのか。朝日新聞の記者が、首都モンテビデオにムヒカさんに会いに行った。以下はその記事の要旨である。簡素な生活ということを考える上で、世界一貧しい大統領と呼ばれた男。ムヒカさんの幸福論に多くの共通点を感じる。
―◆ロボットは消費をしない 日本を訪ねて見えたものは、一つ心配なことを発見した。というのは、日本は技術がとても発達した国で、しかも周辺には労働賃金の安い国がたくさんある。だから日本は経済上の必要から、他国と競争するために、ロボットの仕事を増やさないといけない。技術も資本もあるから、今後はロボットを大衆化していく最初の国になっていくのだろう。ただ、それに伴って、これから日本では様々な社会問題が表面化してくるだろう。いずれ世界のどの先進国も抱えることになる、最先端の問題だ。確かに、ロボットは素晴らしいよ。でも、消費はしないんだから。
 日本人は親切で優しく勤勉だがイカれている 「世界で一番、勤勉な国民はドイツ人だと、これまで思っていたが、私の間違いだった。日本人が世界一だね。だが京都で泊まったホテルで、『日本人はイカれている!』と思わず叫んでしまった夜がある。トイレに入ったら、便器のふたが勝手に開いたり閉じたりするんだから。あんなことのために知恵を絞るなんて、まさに資本主義の競争マニアの仕業だね。電動歯ブラシも見て驚いた。なんで、あんなものが必要なんだ? 自分の手を動かして磨けば済む話だろう。無駄なことに、とらわれすぎているように思えたね。それに、あまりにも過度な便利さは、人間を弱くすると思う。
 「とても長い、独自の歴史と文化を持つ国民なのに、なぜ、あそこまで西洋化したのだろう。衣類にしても、建物にしても。広告のモデルも西洋系だったし。あらゆる面で西洋的なものを採り入れてしまったように見えた。そのなかには、いいものもあるが、よくないものもある。日本には独自の、とても洗練されていて、粗野なところのない、西洋よりよっぽど繊細な文化があるのに。その歴史が、いまの日本のどこに生きているんだろうかと、つい疑問に思うこともあった。
◆豊かな国ほど幸福について心配する 2015年に大統領を退いてから訪れた国は トルコ、ドイツ、英国、イタリア、スペイン、ブラジル、メキシコ、米国だ。行った先で私はよく大学を訪れる。年老いてはいるが、なぜか若者たちとは、うまくいく。そこで気がついたんだが、どこに行っても、多くの人が幸福について考え始めている。日本だけではない。どこの国もそうなんだよ。豊かな国であればあるほど、幸福について考え、心配し始めている。南米では、私たちはまだショーウィンドーの前に突っ立って、『ああ、いい商品だなあ』って間抜け面をしているけれど、すでにたくさんのモノを持っている国々では、たくさん働いて車を買い替えることなんかには、もはや飽きた人が出始めているようだ。
 おそらく、自分たちは幸せではない、人生が足早に過ぎ去ってしまっている、と感じているからだと思う。これだけ物に溢れているのに幸福度ランキングだと、日本は53位だそうだ。「東京は犯罪は少ないが、自殺が多い。それは日本社会があまりにも競争社会だからだろう。必死に仕事をするばかりで、ちゃんと生きるための時間が残っていないから。家族や子どもたちや友人たちとの時間を犠牲にしているから、だろう。働き過ぎなんだよ。もう少し働く時間を減らし、もう少し家族や友人と過ごす時間を増やしたらどうだろう。あまりにも仕事に追われているように見えるから。人生は一度きりで、すぐに過ぎ去ってしまうんだよ。―(2016年12月23日 朝日新聞)
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徘徊老人

Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
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路上公園などの観察、
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