刺激的な本『明治維新という過ち』 

刺激的な本『明治維新という過ち』 15・5月12日
 尊敬する読書家の弁護士H先生から、コピーで週刊文春3月21日号に掲載された立花隆の記事をいただいた。週刊文春の「私の読書日記 冷戦下の核戦争計画、吉田松陰の実態」という記事だ。書評に取り上げられていたのは原田伊織著『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』という本。立花氏は要旨以下のように評している。
 ―長州人、薩摩人がリーダーとなって引っぱりまわした明治維新以来の近代日本を全否定する本である。この本の著者にいわせると「松陰とは単なる、乱暴者の多い長州人の中でも特に過激な若者の一人に過ぎない。何度注意しても暴走族を止めないのでしょっ引かれただけの男である。思想家、教育者などとはほど遠く、それは明治が成立してから山県有朋などがでっち上げた虚像である」。「松陰の外交思想というものは余り語られないが、実に稚拙なものであった。北海道を開拓し、琉球を日本領とじ、朝鮮を属国とし、満州、台湾、フィリピンを領有これを実行するのが彼のいう『大和魂』なのである。恐ろしいことは、長州・薩摩の世になったその後の日本が、長州閥の支配する帝国陸軍を中核勢力として松陰の主張した通り朝鮮半島から満州を侵略し、カムチャッカから南方に至る広大なエリアに軍事進出して国家を滅ぼしたという、紛れもない事実を私たち日本人が体験したことである」この本は、明治維新以後の日本の近代社会そのものを、吉田松陰ら長州薩摩のテロリストたちが作りだした偽りに満ちた社会として丸ごと否定してしまう立場に立つ。 総理大臣が吉田松陰に血道を上げるのはよいが、それも程度ものだということを忘れないでほしい。そうでないと「失敗の一代」まで後追いすることになってしまうだろう。・近代日本はどこまで正しかったのか。これは日本人全員が今後とも悩みぬかればならぬ問題なのだー
 書評を読んでどうしても読みたいと思ったが、売れ行きが良くて版をかさねているらしく店頭になかった。ところがT先生が昨日、「第8刷が本屋にあったので買ったから読みなさい」とわざわざ持参して下さった。読書能力が低下して、最近はもっぱら、簡単に読める詩集とか、柳田国男の『日本の昔話』という短い文章を読んでいるが、それさえ1,2ページ読めば眠りに落ちる。しかし『明治維新という過ち』は内容も刺激的だった。昨夜から読み始め、今朝も4時ころに起きて読んだ。私はかねてから、中国侵略以降の日本軍の兵站を無視した戦略が、中国における虐殺や糧秣略奪そして婦女子に対する強姦殺害などに結びついたと思っていた。
 この本の第五章「二本松・会津の慟哭」を読んで納得した。日本陸軍の原型は、この会津攻略において略奪、暴行の限りを尽くした官軍・長州軍の行動に在った。錦の御旗の下で行った、官軍の暴虐無残な婦女子への暴行は目を覆うものがある。老女から幼女まで犯して殺した。兵坦があろうがなかろうがやったのだ。147年経っても会津人の「恨み」は消えない。長州人の安倍首相は「慰安婦はなかった」というが、中国、韓国の恨みが戦後70年くらいで消え去るはずはないのである。
  松の芯 会津女の 心意気 漫歩
      (『明治維新という過ち』 毎日ワンズ刊)

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先日、コメントいただいて、同じ日に、徘徊のメール番号おしらせしました。連絡がありませんので、も一度、以下にメール番号お知らせします。
haikai_an@ybb.ne.jp

「明治維新という過ち」を読んで

「明治維新という過ち」を今、読み終えました。私がずっと思っていた事が活字化されたと考えます。外国の影響もありましたが戊辰戦争は尊王と武器の劣勢故に賊軍として負けた会津、仙台を中心とした奥羽越列藩同盟と尊王のふりをした武器優勢な長州、薩摩、土佐を中心とした武士団の戦いでした。これらの武士団の生活を数百年間、無料で支え年貢を払い続けた農民にとっては、どちらの勝敗でも良かったのです。文中に見られる著者による他の階級への感謝のない特権階級的蔑視感には驚きます。そういえば侍の子孫は太平洋戦争敗戦後も学校でも掃除をせず大人になっても労働を忌み嫌う話を覚えています。結果として勝った長州政権は水戸学や吉田松陰の目指す通りに外国にまで暴走し、未だにアジアの国から嫌われています。あの戦争で庶民は命が助かっただけでも幸せでなのでしょう。その戦争敗戦の責任をとってないのも長州政権です。日本人は中央に引きずりまわされる奴隷根性や根っこにある尊王以前の歴史から考えねばならないのでしょう。

テロリスト松陰

たまたまこちらにたどり着きました。
私は松下村塾を調べて、塾がホンの1年余りしか存在しなかったにも関わらず、多数の維新の「活動家」を育てたのはなぜだろうと考えていました。
吉田松陰とはそんなに影響力のあった人間なのだろうか?いくらなんでもそんなことはないのではないかと疑問に思っていました。

最近のISの活動をみていて、自分の若気の至りとも合わせて、そうか!と気づきました。
彼はテロリストを育てていたのだ。
原理主義的なことを若いものにつぎ込めば、浅はかな若者は命をいとわず無茶なことをする。
これは自分の若き日の浅はかな思考・経験からも納得できます。
たまたまテロリストが政権を握るのに成功したのが明治維新だったと考えれば、了解できることです。外国との関係の中で国を存続させるためにはバカなことはできなかったがゆえに国家として成立できたのかも知れません。英仏の代理戦争の側面もあったようですし。
「明治維新という過ち」は広告がでたときから気になっていたのですが早速読んでみます。
ようこそ!「老人はゆく」へ
「老人はゆく」へようこそ

徘徊老人

Author:徘徊老人
80歳の徘徊老人です。
趣味、杖を引いて歩くこと、
お四国歩き遍路、ごみひろい
路上公園などの観察、
キョロキョロ歩き
読書、眠り薬になること多し

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